相談の多い疾患 (下記疾患をクリックすると詳細をご覧いただけます。)
1.ニキビ 2.ほくろ、粉瘤、イボなどのできもの
3.アトピー・湿疹 4.蕁麻疹 5.薄毛
当院での薄毛の治療(一部保険適応外)
症状に合わせて患者さんと相談しながら下記の治療を選択して治療を行っていきます。
フロジン液外用
局所血管拡張作用ならびに発毛促進作用により、脱毛症や白斑を改善します。
通常、脱毛防止ならびに発毛促進、乾性脂漏、尋常性白斑の治療に用いられます。
セファランチン内服
抗アレルギー作用、血液幹細胞増加作用があり、造血機能の回復を促進するほか、末梢血管を拡張・末梢循環障害を改善して毛根などに栄養を供給します。
通常、円形脱毛症・粃糠性脱毛症、放射線による白血球減少症の治療に用いられます。
プロペシア内服(自費:1か月7000円)
頭皮に存在する「5α還元酵素」をブロックして、「男性ホルモン」がAGAの原因物質である「DHT」に変換されないようにすることによって、抜け毛を減少させ、毛髪を正常周期に戻すことで「発毛効果」が期待できるお薬です。
発毛効果には個人差はありますが、6ヶ月ごろから認められ、およそ1年で見た目に生えたと実感できるようになります。ただし「中断」してしまうと再び「DHT」が増加し、薄毛が進行します。
紫外線照射療法
アトピー性皮膚炎や尋常性乾癬などの皮膚病などに対しても行われる治療法です。
当院ではナローバンドUVBを使用します。回数や頻度は症状により異なりますが、2週間に1回~6回程度、数か月にわたって治療を行います。副作用としては、紫外線を照射するため、肌の炎症からくるヒリヒリやかゆみが生じる場合があります。効能については、広い範囲で脱毛する全頭型や汎発型で効果があったという報告があるため、重度の患者に使用されることがあります。
冷却療法
ドライアイスや液体窒素などを脱毛斑にあて、誤作動を起こした免疫細胞の働きを抑えて、毛髪の再生を図る治療法です。治療の際は、ドライアイスを直接あてたり、液体窒素を脱脂綿や綿棒で湿布したり、スプレーしたりします。治療の際、軽い痛みがありますが、簡便で副作用もほとんどない方法です。
SADBE療法(局所免疫療法)
人工的にかぶれを起こす化学試薬、スクアレン酸ジブチルエステル(SADBE)を使って、かぶれを起こさせることにより発毛を促す治療方法です。最初は1%ないし2%の高濃度なものをつけて感作させ、2週間後に低濃度なものを塗布、その後至適濃度まで徐々に濃度をあげて治療します。本治療法は、比較的広範囲に脱毛している患者に対して行われます。子どもにも使用できます。約9割もの人に発毛効果があると言われていますが、かぶれやじんま疹、リンパ節腫脹などの副作用を生じることがあり、加えてアトピー性皮膚炎、湿疹、じんま疹がある人は、一時的に症状が悪化する事があるので注意が必要です。また、治療期間が半年から1年以上で、じっくり取り組む必要があります。
男性型脱毛(AGA)
AGAは遺伝や生活習慣より発症します。主な原因物質は、「DHT」という「男性ホルモン」が頭皮に存在する「5α還元酵素」によって変換された物質です。DHTが毛乳頭細胞の「男性ホルモン受容体」と結合すると、ヘアーサイクルが短くなり、成長途中の細く短い毛で抜けてしまいます。そうすると生え待ちの毛が多くなり、その上それらが生えてもまたすぐ抜けてしまうので、薄毛の範囲がどんどん拡大していくのです。
また、女性でも同様な原因で脱毛が発症することがあり、「女性男性型脱毛症」(Female AGA, FAGA)と呼ばれ、症状は男性とは異なり、頭部全体の毛髪が細くなり、部分的な薄毛となることが多い。
その他の疾患ついて
アトピー性皮膚炎・
接触皮膚炎・
脂漏性湿疹・
皮脂欠乏性湿疹・
じんま疹・
帯状疱疹・
口唇ヘルペス・
とびひ・
蜂窩織炎・
丹毒・
水虫・
爪水虫・
皮膚カンジダ症・
でん風・
疥癬・
ニキビ・
いぼ・
やけど・
ケロイド・
日焼け・
しもやけ・
乾癬・
掌蹠膿疱症・
円形脱毛症・
魚の目・
たこ・
陥入爪・
爪囲炎・
口内炎・
類表皮のう腫・
脂肪腫・
軟線維腫
- アトピー性皮膚炎 アトピー性皮膚炎は、アレルギー体質、敏感肌(乾燥肌)、環境という3つの要素で皮膚に湿疹を繰り返す病気です。各々の症例において原因は異なり、また同症例においても季節などで主となる原因が異なります。当院では初診時に詳しく問診を聴取し、また現在の状態を診察させていただき患者さんと共に原因・治療を考えていきます。治療は日本皮膚科学会のアトピー性皮膚炎治療ガイドラインに準じた治療を基本としていますが、ステロイド外用に対しどうしても抵抗のある患者さんについては納得できるまでは無理にステロイドの外用を勧めることはしません。保湿を中心としたスキンケアや生活指導やアレルギーの原因検索など、できるところから治療を行っていきます。患者さんが希望されれば漢方薬を組み合わせた治療も行います。
- 接触皮膚炎 刺激性接触皮膚炎:原因物質に触れた部分だけに症状があらわれます。かゆみを伴い、じゅくじゅくして赤味ををおびた斑点や盛り上がった発疹が出て、さらに進行して水庖が出来たりかさぶたになることもあります。その場合、痛みも伴います。毒性の程度や接触時間などにより症状は違ってきます。洗剤の原液のように一度の接触でかぶれる場合もあれば、弱い刺激を何度も受けることでかぶれる場合もあります。かぶれるまでの時間は比較的早く、触った直後から、遅くとも次の日にはかぶれの症状が見られます。 アレルギー性接触皮膚炎:症状のあらわれ方はさまざまです。原因物質に少し触れただけで強くアレルギー反応を起こしてしまう人もいれば、何度も触れることでアレルギー反応を起こす人もいます。そのため、かぶれが起こるまでの時間は比較的遅く、1~7日後に皮膚の異常が起こってくると言われています。小さな吹き出物をともなって赤く炎症を起こし、赤味をおびた斑点や盛り上がった発疹が出現し時間をかけて体に広がっていきます。かゆみをともないますが、かきすぎると皮膚がはがれたりただれたりする場合があります。 光接触性皮膚炎:肌についている物質が光と反応することにより接触性皮膚炎を起こす疾患で、じゅくじゅくして赤味をおびた斑点や盛り上がった発疹、水庖などが生じ、かゆみをともないます。アレルギー性のものと非アレルギー性のものがあります。 おむつ皮膚炎:おむつのあたる場所に起こる接触性皮膚炎のことで、最初はおむつのあたる場所が赤くなり、次第に赤いぶつぶつができたり皮膚がむけたりします。悪化すると膿をもった小さなぶつぶつや薄い膜状の皮膚がはがれたりすることがあります。赤くただれ、皮膚がはがれたりすると患部に触れられるだけで痛いので、赤ちゃんや高齢者がおむつを替えることを嫌がるようになります。 手湿疹:水や石鹸、洗剤の刺激などによって起こる手荒れのことです。主な症状は、肌の乾燥や小さなぶつぶつの発疹、ひび割れなどです。きき手の親指や人差し指、中指などよく使うところから症状があらわれ、手のひら全体に広がっていきます。水仕事の多い主婦に多くみられるため、主婦湿疹とも呼ばれています。
- 脂漏性湿疹 脂漏性湿疹とは、頭や顔面などの皮脂の多い部位に皮膚炎が起こる病気です。皮脂は皮脂腺から毛穴を通じて分泌されています。脂の分泌が多くなった状態を脂漏といい、炎症をともなったものを脂漏性湿疹と呼ばれています。脂漏性湿疹の原因は皮脂の多い部位に常在するマラセチア菌が原因による皮膚炎です。ビタミンB群の不足や、肉体的・精神的ストレス、きちんと洗わないことによる皮脂の貯留などにより悪化します。
- 皮脂欠乏性湿疹 皮脂が減るにつれて、皮膚の水分量が低下してカサカサするものを皮脂欠乏症(乾皮症)といいます。皮脂欠乏症が原因で起こる湿疹を皮脂欠乏性湿疹と言います。温度が低くなる秋から冬にかけて起こりやすく、かゆくなり、皮膚が乾燥してカサカサと粉をふいた状態になり掻き壊すことによって湿疹ができることもあります。小児や高齢者は皮脂の分泌が少ないので、保湿剤をこまめに塗ることが大切です。
- じんま疹 じんま疹とは、激しいかゆみを伴い、皮膚が蚊に刺されたように、赤くなり腫れ盛り上がる病気です。地図のように不規則な形や米粒くらいの円形の大きさなど色々な形状になります。数時間くらいで消えて、また違う場所に出現することが多く、体にできる部位も一定ではありません。通常は24時間以内に発疹は治まります。発疹が4週間以上にわたって繰り返し続く場合は慢性じんま疹と呼ばれています。皮膚の真皮にある肥満細胞がヒスタミンという物質を作り出し、かゆみとともに毛細血管が拡張して、血管の透過性が高まり、皮膚の浮腫を起こさせ、皮膚を盛り上がらせます。5人に1人が、一生に一度は経験する頻度の高い病気です。
- 帯状疱疹 帯状疱疹(たいじょうほうしん)とは、水痘・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされる皮膚へのウイルス感染症です。水ぼうそうは一度かかると免疫が出来るため、通常2度感染することはありません。ウイルスは水ぼうそうが治った後にも、症状はないものの神経細胞に住み続けています。なんらかの原因で免疫力が低下したときに、ウイルスが増殖し、神経の支配領域にある皮膚に水庖をつくり症状が出ます。神経痛が後遺症として残存することがあり、後遺症を残さないためにも症状が出たときには早めに抗ウイルス薬を投与し治療することが必要です。
- 口唇ヘルペス 口唇ヘルペスとは、単純ヘルペスウイルスが感染、再発を繰り返す皮膚の感染症です。唇や口のまわりに出来るものを口唇ヘルペスといいます。医学用語ではヘルペスとは水ぶくれの集まりという意味があります。単純ヘルペスウイルスが皮膚に感染することが原因で引き起こされます。一度感染すると口唇のまわりの神経細胞の中に隠れ潜み、ウイルスが神経細胞の中でじっと潜伏している間は、ヘルペスの症状は出てきません。ところが、風邪、過度の紫外線、疲労、ストレス、胃腸障害など体の免疫力の低下が誘引となり発症します。
- とびひ とびひとは、黄色ブドウ球菌などが皮膚に感染しておこる病気です。感染力は強く、子供に多く起こります。なお、正式名称を伝染性膿か疹といいます。
- 蜂窩織炎 蜂窩織炎とは、皮膚の真皮から皮下脂肪組織にかけて、細菌が感染して炎症を起こしている病気です。主として黄色ブドウ球菌が、毛穴や小さな傷から、皮下脂肪組織に感染して発症します。傷がなくても原因がはっきりしないこともあります。下肢、特に足の指の間に水虫による傷口から細菌が侵入してできたものが多いです。抗生物質の内服で治療を行います。赤く熱感のあるところは安静にして冷やします。症状が強ければ、抗生物質の点滴が必要となることもあります。
- 丹毒 丹毒とは、皮膚の浅い真皮の連な球菌の感染によって起こる病気です。菌は虫刺されや外傷などで傷ついた皮膚の表面から真皮内に入って、炎症反応を引き起こします。特に外傷がなくても、起こることがあります。高熱、悪寒、全身のだるさをともなって、皮膚に赤い腫れがあらわれて、急速に周囲に広がることもあります。表面は皮膚が張って固く光沢があり、その部分は熱感があって触れると強い痛みがあります。水ぶくれをともなうこともあります。顔、下肢に起こりやすく、炎症のためにリンパ節が腫れて痛みがあることもあります。抗生物質を内服して治療します。再発予防のため、症状が改善しても約10日間ほど抗菌薬の内服を継続します。丹毒の部分を安静にして、冷やします。
- 水虫 水虫とは、白癬菌(はくせんきん)というカビが皮膚に感染する病気です。水虫は頭、体、股などにもできますが、足にできる足水虫が一番多く、通常、水虫というと足水虫のことです。日本人の5人に1人が水虫はにかかっているともいわれており、非常に身近な病気です。水虫がいるかどうか、皮膚や爪の一部をとって、白癬菌がいるかどうか検査します。検査をしても白癬菌が、その部分にいなかったり、検査の前に水虫の薬を塗っていると、白癬菌が見つからないこともあります。そうした場合は、日をあけて再度検査をすることもあります。水虫の治療は塗り薬が中心となります。直接薬を塗ることにより、白癬菌を殺したり、白癬菌の成長を抑えることができます。水虫の塗り薬はときどきかぶれることもありますので、赤くなったり痛みがでてくるようであれば、早めに病院を受診してください。爪水虫や角化型水虫など、塗り薬が白癬のいる部分まで届きにくい水虫の場合には飲み薬を使用します。
- 爪白癬 爪白癬とは、爪にできる水虫で、白癬菌(はくせんきん)というカビが爪の中に感染して、爪の厚くなったり変形する病気です。爪白癬は、足の親指の爪にできることが多いです。爪白癬は多くの場合、足白癬に続いて起こりますが、気づかないで放置して、知らない間に悪化させてしまうこともあります。日本人の10人に1人かかっているともいわれ、見逃されやすい病気です。爪白癬の検査は、水虫と同じく顕微鏡により行います。爪白癬と思われる部分の一部を採取し、顕微鏡で白癬菌の有無を調べます。白癬菌が確認されると、爪白癬であると診断されます。爪白癬は塗り薬か飲み薬で治療します。飲み薬はその成分が直接白癬菌に届くだけでなく、薬の成分が体内に長時間とどまるという利点があります。抗真菌剤の飲み薬を用いた治療では,まれに肝臓の機能が障害される副作用が現われることがあるため、治療の開始前に血液検査で肝臓の機能に異常がないかどうかを確認します。この時の検査で異常がなかった場合,飲み薬を内服した後に、もう一度同じ検査を行って,血液検査の数値に異常がないかどうか確認します。
現在使用されている抗真菌剤の代表はラミシールとイトリゾールの2剤です。ラミシールは1日1回朝食後に約6ヶ月間毎日飲み続けます。イトリゾールは、パルス療法といって通常よりも多い量の薬剤を1週間飲んで3週間休むことを3回(3ヶ月間)繰り返します。爪の生え替わりには一定の期間を必要とします。一般的に、新陳代謝による爪の生え替わりの期間は、手の爪で約6ヵ月、足の爪では約1年かかるといわれています。両方の薬剤ともに、8割以上の有効性が確認されています。
- 皮膚カンジダ症 カンジダが皮膚に感染するために起こります。カビの一種なので湿度の高いところを好む傾向があるため、陰部や水仕事の多い女性に多くみられます。皮膚の一部を削り、顕微鏡でカンジダがいるかどうか検査します。培養検査をすることもあります。抗真菌薬を外用して治療します。
- でん風 でん風とは、カビの一種である癜風菌(マラセチア)が皮膚に感染する病気です。胸や背中に茶色っぽいしみとして気づくことが多く、黒色癜風(こくしょくでんぷう)または、くろなまずと呼ばれています。発汗しやすくなる春から夏にかけて目立つ傾向にあります。逆に白く色が抜けて見えることもあり、白色癜風(はくしょくでんぷう)または、しろなまずと呼ばれています。20~40歳前後にかかりやすく、男性にやや多い傾向にあります。皮膚の一部を削り、顕微鏡検査または培養検査にて癜風菌がいるかどうか確認します。抗真菌剤の外用薬を使用します。広範囲で外用薬だけでは治療が難しい場合や外用薬では効果がなかった場合は抗真菌剤を内服します。1週間前後で変化が徐々にあらわれますが、治ったあとの色素沈着、色素脱失などの色素異常は長期間残ることもあります。
- 疥癬 疥癬とは、ヒゼンダニと呼ばれるダニが皮膚の角質層に寄生して起こる感染症です。寝たきりの高齢者などの介護行為を介して感染し、流行することで問題になっています。ヒゼンダニに寄生されてから約1カ月は無症状で、その後、手のひら、手指、腹部、陰部などにかゆみやぶつぶつが現れます。夜に強くなると激しいかゆみが起こるのが特徴です。手のひらや手指の間には、疥癬トンネルと呼ばれる、細くて灰白色で長さ数mm前後の線状の皮膚の変化がみられることもあります。ハサミやピンセットで、角質やかさぶたを採取して、顕微鏡で疥癬がいないかどうか検査します。イベルメクチンというダニを殺菌する薬を空腹時に水で、1回内服します。一週間後に再度診察の上、もう一度イベルメクチンを1回内服します。ヒゼンダニ死滅後、アレルギー反応で、かゆみがひどくになることもあります。その他にオイラックス軟膏を併用することもあります。オイラックス軟膏を顔面以外の全身にくまなく毎日塗ります。通常は2週間前後でヒゼンダニは全滅できますが、かゆみが残ることもあります
- ニキビ ニキビとは、吹き出物とも呼ばれ、毛穴にばい菌(アクネ桿菌)
が入って炎症をおこした状態の病気です。10代に多い病気ですが、最近では、20代から30代の方も増えています。毛穴から皮脂がたくさん分泌されるためにできるため、皮脂腺の多い顔、背中、前胸部などによくみられます。思春期青年期は、男性ホルモンの分泌が亢進して脂腺が発達するためにできやすくなります。女性では、ホルモンの関係で月経前にニキビができることがありますが、月経が終わればまた消退します。
ニキビは毛穴の出口が硬くなり、中に脂のかすがたまってできるブツブツ(面ぽう)がもとになってできます。出口が閉じている面ぽうが白ニキビ、出口が開いて中央が黒くみえる面ぽうが黒ニキビです。ニキビは、かゆみがあることもありますが、
炎症が強ければ、痛みが出ることもあります。ニキビは症状によって名前がかわります。最初の白ニキビは、脂のかすがたまり、出口が閉じているニキビです。
黒ニキビは、芯が空気と反応することにより黒くなったニキビです。
赤ニキビは、さらに進行して赤く炎症を起こしたニキビです。化膿が進むと黄ニキビと呼ばれるニキビになります。
ニキビの症状が進むにつれて、ニキビ跡が残りやすく、ニキビが治りにくくなります。 ニキビは、前額が最も多く、年齢が上がるにつれて、頬、下顎に多くなってきます。治療法は薬物療法(外用薬と内服薬)が中心になります。
外用薬には、ディフェリンゲル、抗生物質の外用薬(ダラシンゲル、アクアチムクリーム)などがあります。
ディフェリンゲルは、毛穴付近にある角質の肥厚を抑制するため、ニキビの原因となる毛穴の閉塞を取り除きます。特に赤く腫れる前のニキビの初期(白二キビ)など比較的軽いニキビにも有効です。
寝る前に洗顔後、化粧水や保湿クリームで肌をうるおした後に、ディフェリンゲルを使用するとより効果的です。
炎症が強いようであれは、抗生物質(ルリッド、ミノマイシン)を内服します。抗生物質は、炎症の状態に応じて調整しますが、長期間内服することもあります。抗生物質は細菌を殺すという目的以外にも、活性酸素などの炎症物質に対する抗炎症作用もあります。
その他にはビタミンB2(フラビタン)ビタミンB6(ビドキサール)ビタミンC(シナール)は皮脂分泌抑制作用があり、ビタミンCにはニキビによる炎症の跡の色素沈着(黒ずみ)を改善させる作用もあります。また、状態に合わせて漢方製剤も使われます。
にきびの漢方薬には、清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)、桂枝ぶく苓丸加よくい仁(けいしばくりょうがんかよくいにん)、 十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)などを使用します。
- イボ イボとは、ヒト乳頭腫(にゅうとうしゅ)ウイルスが皮膚に感染して起こる病気です。尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)、ウイルス性疣贅(ゆうぜい)とも呼ばれます。いぼの治療は、液体窒素(えきたいちっそ)による凍結療法が最も一般的です。液体窒素で凍らせた綿棒を数秒間イボに接触させて凍らせます。強く凍結させると、痛みが続いたり、水ぶくれになることもありますが、問題はありません。イボの大きさにより、1~2週間ごとに何度か繰り返す必要があります。イボが大きい場合は、半年以上治療が必要なこともあります。
- やけど 熱傷(やけど)は高熱による皮膚の障害です。受傷部位に発赤、腫れ、水ぶくれ、痛みが現れます。
強い痛みが初期の症状ですが、深い熱傷では神経も障害するため痛みがない場合もあります。熱傷の深さによって1度、2度、3度の熱傷に分類されています。やけどは受傷直後の処置が最も重要です。15℃前後の水道水で約30分冷却して下さい。冷却によって,ヤケドをした場所の炎症,腫れを抑え、痛みを和らげることができます。顔面は,タオルの上から氷嚢を当てるとよいです。痕が残るかは熱傷の深さと、受傷後からの処置方法が重要になります。
1度熱傷または浅い2度熱傷の場合は、炎症を抑えるためにステロイド外用薬や細菌の感染を防ぐため抗生物質の飲み薬を使用することがあります
- ケロイド 傷が治る過程で、本来は傷を埋める役割のある組織が過剰に増殖してしまい、しこりになったものがケロイドと肥厚性瘢痕です。組織の過剰増殖がゆっくりしながらも進行して、始めにできた傷の範囲を超えて周囲に拡大するものをケロイドで、一時的で、傷の範囲内に限られるものを肥厚性瘢痕といいます。ケロイド、肥厚性瘢痕の治療は、薬物療法、圧迫療法が中心になります。薬物療法は、副腎皮質ステロイドの塗り薬(デルモベート)、副腎皮質ステロイド含有テープの貼り薬(ドレニゾンテープ)、トラニラスト(リザベン)という抗アレルギー薬の内服、副腎皮質ステロイドの局所注射を組み合わせることで、しだいにケロイド、肥厚性瘢痕の盛り上がりは平坦化してきます。圧迫療法はスポンジ、クッションなどを局所に当てて、サポーター、包帯、粘着テープなどで圧迫する方法です。
- 日焼け 日焼けとは、正式には日光皮膚炎といい、急に長い時間日光にあたることにより生じます。症状には日光照射後、数時間で赤くなりヒリヒリ感とともに皮膚が腫れ、時に水ぶくれとなります。軽いやけどと同じ症状です。日光にあたったあと数時間で日光にあたった部位に、赤みが生じて、6~24時間後でピークに達します。ひどい状態では、むくんだり、水ぶくれが生じることもあります。自覚症状としては、ひりひり感や痛みやかゆみがあります。
まずは冷やしてください。冷やしたタオルや、ビニール袋に氷を入れタオルにつつんだものなどをあてます。炎症を抑えるため、ステロイド外用薬で治療します。痒みや痛みなどの症状によって、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬、消炎鎮痛剤などを使います。
- しもやけ しもやけ(霜焼け)とは、手足の指先が冷えて血行が悪くなったため、かゆくなったり熱くなったり皮膚の病気です。寒さのために皮膚の表面温度の低下すると、直後は静脈と動脈が収縮していますが、その後は動脈は静脈よりも早く拡張します。そのため、動脈は拡張しているのに静脈は収縮している状態が起こり、炎症の物質がもれ出るためにおこります。血液の循環を良くするビタミンE(ユベラ)の内服薬や外用薬で治療します。
- 乾癬 乾癬とは、皮膚が赤くなり、表面に雲母のような白いあか表面につき、ポロポロとはがれ落ちる病気です。まわりの人にうつることはありません。日本では男女比は2対1で男性に多く、30~40代で発症することが多く、最近増加傾向にあります。乾癬の起こる原因ははっきりと解明されてはいません。正常の皮膚では30日前後の周期で皮膚の表面に新しい角質がうまれかわりますが、乾癬の皮膚では周期が3、4日と非常に短い期間でうまれかわります。そのため、角質が厚くなり不完全でもろく、フケのようにポロポロとはがれ落ちやすくなります。家族に乾癬がみられる場合があり、体質が発病に関係しています。悪化のきっかけには、精神的ストレスや風邪、食生活、肥満、アルコール、喫煙、気候、生活環境などがあり、乾癬を起こしやすい体質があって、それに外的要因が加わり、発症するのではないかと考えられています。
外用薬には、ステロイド薬が多く用いられています。そのほか、活性型ビタミンD3外用薬もステロイド薬ほどの速効性はありませんが、ステトロイドとともに使用することもあります。かゆみがひどい場合は抗アレルギー薬を内服します。
症状がひどい場合は、内服薬としては、ビタミンA類似物質であるエトレチナートや免疫抑制薬であるシクロスポリンが用いられることもあります。また重症例には中央市民病院や神戸大学病院と連携して生物学的製剤を使用することもあります。乾癬は完全に治癒するのはなかなか難しいのですが、皮膚の状態に合わせて、症状をコントロールすることが大切です。
- 掌蹠膿疱症 掌蹠膿疱症とは、掌蹠膿疱症は名前の通りで、手のひら(掌)や足の裏(蹠)に小さな膿のぶつぶつ(膿疱)ができる病気です。細菌がついて化膿したのではなく、一種のアレルギーの反応によってに白血球が集まったと考えられています。原因は不明なことも多いのですが、扁桃腺(へんとうせん)に慢性的な炎症に対する反応や、歯の治療として用いられている歯科金属に対する反応として生じることもあります。また、喫煙が関係している場合もあります。乾癬の仲間とも考えられています。ステロイド薬の外用薬やビタミンDの外用薬が使用されます。症状が強い場合、ビタミンAの内服、免疫抑制薬の内服、紫外線療法などがあります。
- 円形脱毛症 円形脱毛症とは、髪の毛が突然抜けはじめる病気です。年齢や男性女性にかかわらずみられますが、脱毛の原因としては最も多い疾患です。大部分の方は自然に治りますが、治療も有効性があります。一箇所だけにできたり,数箇所できるもの,生え際に沿った部分が抜けるもの,頭髪が全て抜けるもの,全身の毛が抜けるものなどさまざまなタイプがあります。多くは円形ですが,必ずしも円形とは限りません。治療法は薬物療法または刺激療法を行ないます。
薬物療法は副腎皮質ステロイド薬(デルモベートスカルプ)や塩化カルプロニウム液(フロジン液)の外用またはグリチロンやセファランチンの内服を組み合わせることもあります。刺激療法として液体窒素(えきたいちっそ)による凍結治療やSADBEがあります。
- 魚の目 魚の目とは、角質層が、クサビ型に増殖し,歩行時に強い痛みがある皮膚の病気です。魚の目には,真ん中に丸い半透明の角質の塊(角栓)が見られます。鶏の目あるいは魚の目に似ているため,鶏眼(けいがん)、魚の目(うおのめ)とも呼ばれています。中心が円錐状に角質増殖した部分が痛みの原因なので、表面を1mm程度削り、中心の角質柱を円錐形に削ります。その後、液体窒素(ちっそ)を綿棒に浸して切除跡に押しつけて冷凍凝固処置をすることもあります。大きくて深さがあるものの場合には、これを何度も繰り返す必要があります。再発しやすいので根気良く治療しましょう。
- たこ たこ(タコ、胼胝)とは、皮膚の角質が肥厚した状態です。たこは、足の裏などの機械的な圧力、摩擦、衝撃がかかりやすい部位にできやすいです。痛みがある場合には削ります。
- 陥入爪
手の爪は淵(爪の両端)が外に出ているのに対し、足の爪は淵がゆびの内側に入り込んでいます。手と同じつもりで足の爪を丸く切り、深爪をすると爪の端が十分に切れず、「とげ」ができます。この状態で幅の狭い靴を履いたり、ぶつけたりすると爪のとげが刺さり化膿して悪循環が始まります。
陥入爪の予防は深爪をしないことです。足の爪を切る時に爪の先の角をちょっとだけゆび先より出るように残します。こうすれば陥入爪はおこりません。
陥入爪で痛みが出たときには、症状が軽ければ爪の角と皮膚の間に綿を詰めて当たっている爪を浮かせます。肉が盛り上がり化膿している時には、局所麻酔をして爪をやや大きめに斜めに切り、爪のとげが刺さらないようにします。どちらも爪が伸びて角がゆび先よりちょっと出れば再発しません。爪の幅が広く再発を繰り返す場合は手術を施すことになります。
巻き爪の矯正には弾性の強いワイヤーを用いた治療が行われています。爪に小さな穴を二つ開けて、ワイヤーの両端が爪の下になり中央が爪の上になるように挿入します。ワイヤーが真っすぐに伸びようとする力を利用して爪を平らに矯正します。特徴は、痛みがないこと、入院する必要がなく不具合が生じたら取り外しも容易で、挿入も短時間でできることです。しかし、爪がある程度伸びていないとできませんし、爪が長く伸びるとワイヤーをつけ直さなければなりません。重症例では矯正に長期間かかります。ワイヤーを外すと再発する場合もあります。保険は適用されませんが、痛みがなく通院も頻繁ではないので最初の治療としてはお勧めします。重症例や再発を繰り返す場合には手術を行うことがあります。
- 爪囲炎 ばい菌による爪囲炎は、急性爪囲炎とひょうそに分けられます。前者は指先皮膚の爪廓部、後者は深部の発赤・腫脹・疼痛・熱感を指しますが、両者の区別は必ずしも明瞭ではなくオーバーラップすることが多いようです。また、ばい菌による爪囲炎以外にもカビによるカンジダ性爪囲炎があります。
一般に症状が爪周囲の皮膚に限られ、爪床の変化が少ない時には抜爪などの処置の必要はなく、抗菌薬の全身投与と局所療法(膿疱の切開、排膿を含む)で治療します。
- 口内炎 口内炎とは、口の中の粘膜に炎症が生じる病気です。口内炎というのは、ひとつの病気を表わす言葉ではなく、口の中の粘膜に生じる炎症を総称したものです。食べた物がしみるくらいのものから、びらんや潰瘍などまであり、多くは痛みがあります。たいていは1週間くらいで治ることが多いのですが、再発することも少なくありません。治療はステロイド剤の軟膏(ケナログ)や貼り薬(アフタッチ)を使用します。
- 類表皮のう腫 皮膚表面が半球状に盛り上がり、さわると弾力性のある袋状の皮下のしこりができる病気です。しこりの中心部に毛穴の開口部(黒い点)があり、強く押すと、おから状の臭い内容物が排出されます。成人男性に多く見られます。
しこりが急に痛みをともなって腫れてきた場合は、細菌が感染しているため、抗生物質(フロモックス)、鎮痛剤の内服をします。手術切除で治療します。
- 脂肪腫 脂肪組織からなる良性腫瘍で、日常みる機会の非常に多い疾患です。脂肪腫は薄い膜におおわれており、瘤(こぶ)そのものは皮下脂肪と同じような黄色い色をしています。顕微鏡で組織を検査した場合、正常な脂肪組織と同じようにみえます。40~50代の女性に多いとされています。
背中や肩のまわり、おしりのまわりの皮下組織によく発生します。筋肉のなかに発生する場合は大腿部への発生が多くみられます。大部分の症例は単発性ですが、一人の患者さんにたくさんの脂肪腫が発生することもあります。
比較的小さく、痛みなどの症状がない場合は経過をみるだけでよいことが大半です。体の比較的目立つ部分に発生した場合は手術で取り除きます。手足にできた小さなものは、多くは日帰りの手術が可能です。
- 軟線維腫
軟性線維腫とは、首いぼを代表とする細かいいぼで軟性線維腫(スキンタッグ)とも呼ばれています。大きさは1~3mm程度のものが多く、色は褐色調で、皮膚面から少し飛び出ています.良性の皮膚腫瘍の一種で、感染性は無く、特に心配な病気ではありませんが、衣類でこすれて炎症を起こすことがあります.年齢とともに徐々にいぼが増大するため、年をとるといぼは目立ってきます。液体窒素や物理的に切除する方法があります。
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